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認知症のあれこれ⑤〜中核症状別の対応方法!2nd〜

 

今回も、前回に引き続き、認知症の方への接し方を症状別にご紹介したいと思います。

■理解、判断力の低下への接し方

:物事を考えたり理解することに、とても時間がかかってしまいます。また、イレギュラーな出来事や慣れない操作に混乱してしまいます。

そんな時は以下のことに気をつけましょう。

 

①急かさない

②伝えたいことは短く

③混乱している時は、否定せず見守る

 

これらは、すぐ取り入れることができます。

■遂行機能の低下への接し方

:遂行機能とは、計画を立てて物事を進める能力のことです。予定を立ててもその通りに動くことが難しいです。一つのことをすると、他のことに注意が向きにくくなったりします。

 

そんな時は、声をかけて確認をしましょう。

 

外出の予定や、料理の献立、洗濯ものなど確認をします。「1時から敬老会だっけ?」「今日はよせ鍋?」「雨降りそうだね」などと声をかけましょう。その確認で忘れていたことを思い出すかもしれません。

 

患者さんのできることが増えます。同時に、こちらも今何をしているのかを確認することができます。

■注意するポイントは危ないこと

 

認知症の方との接し方について、注意するポイントをご紹介してきました。ここまで、たくさんご紹介してきましたが、全てを注意して受け入れてとすることは難しいかもしれません。

 

家事や仕事などと並行して介護を行うことはとても大変なことです。何をどこまで注意していいのかわからない…と悩んでしまう方も多いようです。

 

認知症の方に注意する時の最低限のポイントがあります。

それは

危ないことだけは注意する!

ということです。

例えば、

・コンロの火がつけっぱなしになっている

・包丁が出しっぱなしになっている

・印鑑をほったらかしている

 

など、命の危険があることや大切なものに関することは注意しましょう。

これが認知症の方と生活を送る上でのポイントです。

 

次回のコラムは、認知症の症状への対応をケースごとにご紹介していきます!

 

参考書籍

1)認知症サポーター養成講座標準教材—認知症を学び地域で支えよう—