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認知症のあれこれ④〜症状別の対応方法!1st〜

 

前回は、認知症の行動と心理についてご紹介しました。

今回はその中核症状別の接し方や対応方法を2回のコラムに分けてご紹介していきます。

 

中核症状を知り、対応方法を変えることですれ違いを減らすことができます。

喧嘩をしてしまったり、イライラすることを減らすこともできます。

 

では、早速見ていきましょう!

 

■すれ違いが減る接し方

 

認知症の方と接するときの簡単な注意点をご紹介します。

・穏やかな声で話す

・感情的にならない

・できるだけ否定をしない

・余裕を持って会話をする

などです。

 

穏やかにゆとりを持って会話をすると良いでしょう。

 

では、中核症状ごとの接し方について説明します。

 

■記憶障害・見当識障害への接し方

①否定をしないで話を聞く

 

例えば、朝食を食べたにもかかわらず忘れてしまうことがあります。本人にとって『朝食を食べたかわからない』という状況はとても不安です。記憶障害が出ない限り、今日の朝食を食べたか分からないという経験をすることはないでしょう。

 

このような状況で、「何を言ってるの?さっき食べたじゃない!」などと怒ったり否定したりしては、不安が強くなり混乱してしまいます。

 

こうならないために、本人の不安を受け入れましょう。

 

②生活環境を調整する

 

時間や予定などを忘れてしまう場合は、本人の使い慣れている手帳やカレンダーで確認しましょう。そのような習慣がない場合は、一緒に確認することを習慣にしていきましょう。

 

食事やお風呂など日常生活をできる限り規則正しく送るために、予定を可視化すると良いです。こうすることで、混乱を防ぐことができます。

 

また、デイサービスに行く日や通院日など決まった用事は、できるだけ日時を固定すると良いです。

 

③新しいことは繰り返し確認を!

 

新しい物事を覚えるときは、繰り返し確認しましょう。

そのとき、優しく確認をすることがポイントです。

ただでさえ、記憶に関することが苦手になります。

根気強く、繰り返し確認をしましょう。

 

確認をするときは言葉だけでなく、写真や文字などを使うことで覚える手がかりを作る良いです。

 

次回のコラムは、中核症状別の対応方法の2ndです!

 

参考書籍

1)認知症サポーター養成講座標準教材—認知症を学び地域で支えよう—