今回は、認知症の症状への対応方法をケースごとにご紹介していきたいと思います。
■ケースごとに違う!認知症への対応方法
《ケース1》:自動販売機の前で右往左往している
→これは、理解力・判断力の低下から起こってしまいます。目の前にある自動販売機がどのような仕組みで使えるのか理解できなくなってしまうのです。
このような場合は、「何をしているの⁉」を怒らずに、飲みたいものがあるのかを聞き、一緒に飲み物を買ってみましょう。
驚いたりすることもあるかもしれませんが、自動販売機で初めて飲み物を購入いたと思えば驚くのも当然です。否定せず、共感しましょう。
《ケース2》冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん…
→これは、実行機能の低下によるものです。スーパーで「大根と鶏肉の煮物にしよう」考え買い物をしても、帰宅し冷蔵庫の中の里芋を見て、里芋の煮っころがし作ってしまいます。
買ってきたことを忘れて、自宅で目についた別なものを使ってしまうので同じ食材が溜まってしまいます。わざと同じものを買っているのではなく、買ったことを忘れて違うものを作ってしまうので消費できずに溜まってしまうのです。
「また同じものを買って…」と怒りたくなるかもしれません。そのような場合、「今日は大根と鶏肉の煮物だね」などと料理の確認をすると良いでしょう。こうすることで、本人のできる行動がグッと増えます。
もしかしたら、冷蔵庫にいつもある同じものは、ご家族の好きなものや患者さんの得意料理なのかもしれません。忘れることが増えてしまったら、「冷蔵庫に食材あるから、あれ食べないな」とリクエストしてみるのもいいかもしれませんね。
このように、行動によって対処のポイントが異なります。そして、各々帰ってくる答えは異なります。
次回のコラムは、行動への対応をご紹介していきます!
参考書籍
1)認知症サポーター養成講座標準教材—認知症を学び地域で支えよう—