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失語症を知ろう

脳卒中の後遺症の中に失語症というものがあります。

TVなどで

「言葉がでづらいと感じたら…」

というCMを見かける機会が増えました。

 

「うちのおじいちゃん、脳卒中になって入院したら…。」

 

・話しかけても、反応がおかしい…

・言ってることが、よく分からない

・日本語じゃない単語を話している…?

・何回言っても、わかってくれない

 

「病気になって、しばらく寝てたからボケちゃったのか。

はたまた、性格が変わってしまったのかな?」

 

これが失語症の症状なんです!

具体的には

・言葉が出てこない

・みんなが言っていることがわからない

・なんで伝わらないのだろう

このようなことを失語症患者さんは感じています。

 

脳卒中の後遺症であるコミュニケーションの障害です。

重症度や症状は人によって異なります。

 

 

■失語症と確定される条件を知る

失語症には定義というものがあります。

その定義を満たすことが診断の条件です。

定義は、以下のものです。

 

  • 後天的な障害

(脳内の言語領域の病変等により、一旦獲得された言語機能が障害される)

  • 二次的に生じるものではない

(認知症などの高次脳機能障害などは除外)

  • 4つの言語モダリティ全てが障害される

(聴く、話す、読む、書くが障害される)

【言語聴覚士テキストより抜粋】

 

これら3つの条件が揃うことが失語症の条件です。

 

 

■原因を知ろう

主な原因は以下のものがあります。

 

・脳卒中(脳梗塞、脳出血)による、言語野の損傷

・事故などによる、外傷による脳(言語野)の損傷

 

脳の中でも、言語野と呼ばれる特定の部分の損傷が主な原因です。

 

■失語症と構音障害は別物!

間違いやすいところですが、症状が全く異なります。

簡単に説明すると、以下のような違いがあります。

 

・構音障害とは

:発話(話すこと)に必要な口腔器官の麻痺などによる機能障害により起こる

・失語症とは

:言葉を話すための神経の伝達が難しくなることにより起こる

 

脳の損傷による後遺症という共通点はありますが、症状は全く違うものです。

 

 

■リハビリ内容を知ろう

失語症になったら、改善のために言語聴覚療法を受けることがほとんどです。

具体的に以下のようなことが行われます。

 

  • 検査、評価

:実際にお話をしたり、検査バッテリーを使い評価を行います。

何ができて、何が苦手なのかを調べます。

 

  • 訓練、治療

:検査結果を踏まえて言語療法を行っていきます。

例えば、言葉が出づらい症状に対して、言葉の想起を促す訓練をしたりします。

その他、ご家族とコミュニケーションが取りやすくなるようにする練習を行ったりします。

 

 

■まとめ

失語症について簡単にまとめてみました。

突然、自分の言いたいことが言えなくなったり、周りの言いたいことが理解できなくなる『もどかしさ』は、どこにもぶつけることができません。そのために、コミュニケーションやリハビリには周りの人の理解と協力が不可欠です。

症状についての詳しい説明やリハビリの内容もまとめていきたいと思います。

謎の多い後遺症、失語症について少しでも知っていただければ幸いです。