コミュニケーションが障害され脳卒中の後遺症である失語症
これは症状や重症度が人によって異なることをご紹介しました。
そして、失語症にはタイプ分類というものがあります。
今回から4回に分けて、失語症をタイプ別に詳しく紹介していきます。
その中で起こり得る症状などを紹介していきたいと思います。
失語症のタイプは大きく7つに分けることができます。
①全失語
②ブローカ失語
③ウェルニッケ失語
④伝導失語
⑤超皮質性運動失語
⑥超皮質性感覚失語
⑦失名詞(健忘)失語
このタイプ分類に応じてリハビリ内容などを検討します。
ですが、失語症は脳の損傷によるものです。
必ず7つに当てはまるとは限りません。
経過によって、タイプが変わることもあります。
あくまで、リハビリを進めるための目安になります。
では、今回は①全失語について解説していきます。
聴く、話す、読む、書くの全てが最重度に障害されます。
つまり、自分の言いたいことを伝えることもできず、相手の言っていることも理解できないという状況です。
特徴的な症状は
・無反応
・YES/NOなどの簡単な質問に対する反応が曖昧
・意味のわからない音、決まった単語しか話さない
などです。
全失語の方は『突然、全く言葉が分からない国にきてしまった』状態に近いと言われています。ご家族は、認知症になってしまったのかも…と心配されることも多いです。
しかし、認知症になったのではなく、言葉の理解や表出が難しくなってしまっただけです。
この段階のリハビリは、大きく分けて2つのことを進めていきます。
1.症状の改善
:得意なことの練習など
2.コミュニケーション方法の検討
:比較的保たれている、得意な能力を使ってコミュニケーションの練習
これらを進めていき、できる限りスムーズにコミュニケーションを図ることを目指します。
一言に失語症といってもタイプがあることがわかっていただければ幸いです。
タイプにはそれぞれ特徴があります。
ご自分のご家族がどのタイプなのかを知ることは、何が得意で何が不得意なのかを知ることにも繋がります。
このコラムを通して失語症を少しでも知っていただければ幸いです♪
次回は、ブローカ失語とウェルニッケ失語について紹介したいと思います!
難しくわかりにくいことがたくさんあるかと思います。
何か、わからないことがありましたら、お気軽にご連絡ください^^