今回は、失語症の方との接し方を解説していきます。
昨日まで、普通に会話出来ていたのに…。
突然、なってしまうのが失語症です。
そして、失語症の方は自分の気持ちをうまく伝えることができません。
そんなもどかしさを抱えています。
上手く伝えるために、どのような工夫ができるのでしょうか?
それは、周りの人が理解しようとすることです。
なぜなら、コミュニケーションは本人の努力だけでは成立し得ないからです。
つまり、本人と聞き手どちらも努力する必要があるということです。
では、具体的に何に気をつけると良いのでしょうか?
以下の2つのポイントを紹介します。
:基本的にほとんどの場合、聞き手の推測は必要不可欠です。
その程度がタイプによって異なります。
例えば、全失語の場合、会話の話題から聞き手が推測して、
患者さんが伝えたい単語を絞り出します。
これに対して、失名詞失語は、話題の共有はできるので、
実際に患者さんが表出したい単語の推測を行います。
:YES/NOでのやりとりも、比較的多く用いられる方法のひとつです。
例えば、全失語の患者さんに対しては写真などを提示して、
○と✖︎で答えてもらうことが多いです。
このように、その人に合ったコミュニケーション方法を選択して、試行錯誤をしながらコミュニケーションを図っていきます。
失語症の方とコミュニケーションをとる時の注意点です。
基本的に、この3つです。
コミュニケーションは心理的な影響を受けます。
聞き手がイライラしてしまったり諦める態度をとると、
患者さんのストレスになりかねません。
そして、患者さんのストレスを減らすことが
ご家族のストレスを減らすことにも繋がります。
ですので、時間をできるだけとって会話をしてみましょう!
具体的に、どのような接し方をすれば良いのかご紹介します。
ポイントは
などです。
具体例
患者さん:「あれを食べたの。美味しかった!あれ。あー出てこない。」
ST:「どこで食べたんですか?」
患者さん:「家でね、買ってきたの。あそこから。」
ST:「スーパーから買ってきたのですか?今が旬のものですか?」
患者さん:「そう、スーパー!そうね、最近で始めたかな」
ST:「んー果物ですか?野菜ですか?」
患者さん:「果物だね。小さくて、赤いやつ」
ST:「さくらんぼですか?」
患者さん「そう!さくらんぼ!」
→場所や時期などヒントになるようなことを聞き出し、
少しずつ誘導をしていきましょう。
失語症の方はなかなか言葉が出てこないため、焦ってしまうことも多いです。
ですので、焦らないように時間にゆとりを持って会話をしましょう!
質問のタイミングが早すぎると焦らせる原因になってしまうこともあります。
相槌や返事のタイミングにも気をつけてみてくださいね♪