毎日、何気なくとっているコミュニケーション。
突然、自分の言いたいことが伝えられなくなったら、戸惑いますよね。
いや、戸惑うどころの話ではないです!
構音障害になってしまったら…
構音障害の人が伝えたいことを受け取るには…?
前回、運動障害性構音障害についてまとめてみました。
今回は、構音障害の対処方法について紹介していきます。
構音障害の対処法方法とは、リハビリやコミュニケーションの取り方の事です。
運動障害性構音障害に限らず、器質性構音障害や機能性構音障害にもいえることです。
構音障害のリハビリは言語聴覚士が主に行います。
具体的な治療・リハビリには以下のようなものがあります。
①発声発語器官機能(発音に必要な筋肉等の運動機能)の改善
②機械を用いた改善
③補助具を用いた改善
④拡大・代替コミュニケーションアプローチ(AAC)
これらの4つを状態に合わせて、患者さんがより話しやすくなることを目標にリハビリを実施していきます。
その他に、医師や歯科医師による外科的治療なども含まれます。
具体的なリハビリの内容を紹介します。
①発声発語器官機能、話し方の改善:元々持っていた機能に近づけるため
例)発声発語器官の筋肉増強訓練、発話スピードの調整法、発音の練習、など
②機械を用いた改善:自分の構音を自分で確認するため
例)筋電図などを用いて発声発語器官の筋肉の動きを確認する、など
③補助具を用いた改善:構音の改善を補助するため
例)口腔内への補助具の装着、ボードの使用、など
④拡大・代替コミュニケーションアプローチ(AAC):コミュニケーション方法の獲得のため
例)ジェスチャー、筆談、文字盤の使用、など
これらを症状に合わせてリハビリを進めていきます。
多くの場合、発症から3〜4ヶ月の間に可能な限り機能改善を図ることが多いです。もちろん、病気の状態、治療の進行状態などによって異なります。そして、機能改善と並行して代替コミュニケーションの練習を行います。
構音障害は早口になってしまったり、話しづらさから話すことを諦めてしまったりすることがあります。
中でも、運動障害性構音障害は、話すスピードが速くなってしまうと言った症状が出ることもあります。そのため、自己コントロールが難しくなることも。
そのため、構音障害の方と接する時に気をつけてほしいことがあります。
・急かさず、ゆっくり!
・聞き手の相槌も不自然にならない程度にゆっくり!
ポイントはゆっくり、急がない!相手があって初めて会話は成り立ちます。ですので、このポイントに注意しながら話してみてください。
ポイントを知っても、疑問や不安は尽きないと思います。
また、わからないことがたくさん出てくると思います。
そんなときは、担当のセラピストに質問しちゃいましょう♪
例えば…
・ST:舌を前にまっすぐ出せるように練習をしましょう。
・患者さん:(え、こんなことして何になるんだろう。)なんのために、このリハビリをするの?
・ST:舌を自分でコントロールできるようにするためですよ。今は、麻痺のせいで舌の動きをコントロールすることが苦手になってしまっています。なので、まずはまっすぐ舌を前に出すことからしていきましょう。
一つ一つの練習には目的があります。
このようにどんなに小さな疑問でも、セラピストは答えてくれるはずです(^ ^)
疑問は遠慮せず質問して、焦らずリハビリに取り組んでください♪
参考文献
1)西尾正輝:ディサースリアの基礎と臨床 第1巻 理論編 p69~99,2006.
2)西尾正輝:ディサースリア臨床標準テキスト p125~198,2007.