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血圧のイメージ

この度,定期投稿の機会をいただきました.今後は,この場を利用して自分の考えやトピックスの紹介,日々の臨床における疑問や工夫を皆さまとシェアしていきたいと思っております.よろしくお願い致します.臨床業務は,主に集中治療領域・心臓血管外科領域です.

今回のテーマは『高血圧』にしました.

血圧が高い患者さんに,どのような指導しますか? 血圧が高いことが当たり前になっており,それ自体は問題と感じていない患者さんに,その重要性をどのように伝えていますか? なぜ,血圧が高いと血管が脆くなるのか? 高血圧は悪いもの.でも,何がどう悪いか知らない,そんなことありませんか?

血圧が高いことで何か病気の引き金になるかもしれない,原疾患が増悪するかもしれない,既往疾患の再発リスク,可能性を挙げればきりがないのですが,実際になんらかの疾患を発症した患者さんでも,症状が軽快して数日~数十日経てば,なんとなく過去の出来事になってしまうような.

そこで,血圧をイメージしやすい話に変えてみたいと思います.血圧の単位は「mmHg=ミリメートルエイチジー」と読みます.mmはミリメートル,Hgは水銀を表す化学記号です.mmHgという単位は,水銀をどれくらい押し上げるか,その”長さ”を表した単位になります.しかし,水銀をどのくらい押し上げるか,想像しにくいですよね.

水銀は水の13.6倍重たい物質です.正常血圧130mmHg/70mmHgを変換してみると,収縮期血圧130mmHgとは130×13.6=1760mm(1.76m)の高さまで水を押し上げる力になります.ですから,収縮期血圧180mmHgの場合,水を2.5m押し上げる力になるということです.

患者さんと共有してください.「血圧が180mmHgあると(病院内で),廊下の天井まで水を押し上げる程度の圧が常に血管いかかっています.心臓は1分間に60回前後拍動していますから,1時間に3,600回,1日に約86,000回拍動しています.血管には,この圧力が1日に約86,000回かかっています.いつか,血管の壁が壊れちゃいそうな気がしませんか?」「また,心臓は筋肉の塊です.血液を押し出す際に,高い圧力が必要になれば,それだけ大変ですから,いずれ疲れてしまいます.すると心臓も弱ってきます」など言いながら,医療者と患者のイメージを近いものにしてみてください.教育効果は高いと日々の臨床で実感します.

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Y.S (PT;Physical Therapist)

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